ECL細胞とは

ECL細胞とは、自己免疫性胃炎に伴う神経内分泌腫瘍の由来となる細胞です。

ECL細胞は胃の粘膜内に存在しています。内分泌というのはホルモンということです。

ECL細胞は胃底腺にあり幽門腺にはないため、胃底腺の存在する、胃全体でみると、入り口側(体部・穹窿部)に分布することになります。

 

ECL細胞はヒスタミンというホルモンを分泌しています。ヒスタミンを分泌すると酸分泌が促進されます。

ECL細胞自身はガストリンにより刺激されます。また、PACAPという神経伝達物質に刺激されます。この辺りが、神経内分泌といわれる所以です。ガストリンが高まると、ECL細胞が増えていくことになります。

ECL細胞を他の細胞と区別・認識しようとするとChromogranin Aやsynaptophysin, CD56といった、神経内分泌細胞固有の物質(マーカー)利用します。これら物質を染色することで確認します。

粘膜から発生した腫瘍と粘膜より下の領域で発生した腫瘍を分けて考える場合があります。神経内分泌腫瘍は一見、粘膜下腫瘍っぽい見た目をすることが多いです(表面に顔を出さない)。しかし、神経内分泌腫瘍は粘膜から発生する腫瘍であるため、粘膜下腫瘍ではありません。

 

胃神経内分泌腫瘍のタイプは発生原因で3分類に分かれます(Rindi分類)

①自己免疫性胃炎に由来するもの

②多発性内分泌腺腫瘍(MEN)-1型、Zolllinger-Ellison症候群に由来するもの

③原因なし

自己免疫性胃炎に由来する胃神経内分泌腫瘍はRindi1型とされ、非常に大人しいことが知られています。

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