続けて気づいた疑問を解決してみたいと思います。
これも消化器内視鏡医向けです。
先日紹介している逆流性食道炎の重症度分類である、ロサンゼルス(LA)分類はA-Dの4段階があります。
一方で日本でよく利用されているLA分類は「修正」LA分類といわれ、Grade NやGrade Mが存在します。
これはどういった経緯で足されたのか、Grade NやGrade Mと診断することの意義について調べたいと思います。
Interobserver agreement in endoscopic evaluation of reflux esophagitis using a modified Los Angeles classification incorporating grades N and M: A validation study in a cohort of Japanese endoscopists
Summary. The Los Angeles classification system is the most widely employed criteria associated with the greatest interobserver agreement among endoscopists
LA分類について
LA分類に関しては以前の投稿でも取り上げたことがあります。
LA分類が関連する指標は何なのか
逆流性食道炎ではLA分類が重症度の評価に利用されます。分類することにどのような意味があるのかを調べました。
修正LA分類では更にLA-NとLA-Mが存在します。
LA-N normal mucosa
LA-M minimal changes to the mucosa, such as erythema and/or whitish turbidity.
変化がないのがLA-N、粘膜白濁などわずかな変化がみられるのがLA-Mとなります。
粘膜白濁は過形成性変化(食道の粘膜が胃酸に負けじとたくさん増殖した)ことを意味しており、遺産の逆流が起きていることを示唆します。
LA-Mの信頼度
上記の論文で指摘されているのはLA-Mの診断が非常に再現性、一致率が低いという点です。
再現性とは同じ人が、同じ診断を何度もつけられるかどうかです。
一致率とはつまり、誰かの診断を、他の誰かも同じように診断できるかどうかです。
どちらもよくないということは早い話、LA-Mの診断はアテにならない、ということになります。
本家のLA分類ではこのようなバラつきのため、微小な変化は入れなかったとのことです。
LA-Mであると診断されることも何らかの疾患との関連があるわけでもなく、この診断は重要ではないことがわかります。
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