大腸カメラはつらい検査です。
下剤を飲むつらさがまずあります。
多量の水分を一度に飲むことは普段経験せず、下剤自体の味も(改善されたとはいえ)検査を受ける上での壁になっています。
検査中にまず一番気になるのは痛みでしょう。
腹膜、靭帯、腸管壁が伸ばされること、腸の走行がループで捻じれることで疼痛を感じます。
大腸カメラが大腸の表面に擦れることには痛みは生じません。
痛みを感じるかどうかは個人差があると思います。
大腸は真っすぐではなく、様々なカーブの組み合わせで成り立っています。
痛みの感じやすさも人によって異なります。
事前に痛みが強くなるかどうか予想ができれば、痛み止め(鎮痛剤)などの使用を前もって検討することができます。
Thieme E-Journals - Endoscopy / Abstract
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2013年のEndoscopyの論文を紹介します。
ノルウェーのマルチセンターでのレトロスペクティブな検討になります。
<疼痛を強く感じやすい因子>
女性、若年(40歳未満)、腹部手術歴、以前の大腸カメラで痛かった、痛みに身構えながら検査をする、腹痛の原因精査目的での大腸カメラ、憩室炎の既往
という点で、疼痛を強く感じる傾向がみられました。
また疼痛はS状結腸通過時に感じやすいとのことです。
手術歴や憩室炎などは挿入困難となる要素でもあり、大腸カメラを奥まで進めにくい人=痛みを感じやすい人ということになります。
なかなか、こちらで対策できることは難しいのかもしれませんが、積極的な声掛けなどで少しでも患者様に寄り添うことができればと思います。
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