Pyramid of learningの実像

 

昨日の投稿に引き続き、Pyramid of learningについて取り上げます。

学習効果は聞き流しよりも能動的な学習、更には人に伝える方が向上するという「学習のピラミッド」には色々な意見もあるようです。
必ずしもそうではないということを”Medical Teacher”というを取り上げます。

 

元の研究成果では綺麗な数字で示されており、他の文献でもこれに近い数字が使用されていますが、現実はそんな綺麗に割り切れるものではありません。
学習のピラミッドを引用している文献でも、各学習法による定着率には幅があります。
また、参加者の多いstudyではなかったので、客観性・妥当性にも疑問がつくようです。
引用文献をさらに参考文献にして新しい論文が形成され、孫引きもせず数字だけが独り歩きしているのではないか、と考えられるとのことです。

何%定着した、ということはそもそも何を分母としているのか、難しい問題だと思います。
単なる数字の羅列などを覚えることは日常生活ではほぼありません。
その周辺情報や今までの情報との関連性も込みで覚える必要があります。
情報を表面だけ暗記して100%なのか、バックグラウンドまで理解して100%なのでしょうか。裏にある感情まで理解して100%なのでしょうか。
情報量を正確に数字で表す測定することができないので、数値化するのは難しいと思います。

学習効果はどのように学んだか、その接触の機会だけでは決まらないと思います。
その時の情報の新鮮さもバラバラだし、覚えようとする熱量も異なります。
また、その後どれだけ思い出したか、反芻したか、で記憶は強化されます。
何が学習効果に優れているかは、このように情報を得た手段だけでなく、情報をいかに強化したかにも影響を受けます。
また、アウトプットするときにどのくらい思い出せるかも、日々のコンディションなどでバラツキそうです。
「実際には覚えているけど、調査したタイミングでたまたま思い出せなかった」ということは我々がいつも経験していることです。
処方するタイミングで薬の名前が出てこないのに、後で思い出すことは日常と化しています。

しかしまた能動的な記憶が強いこともまた、個人の主観レベルでは否定できません。
大学の講義の殆どは、受講したにも関わらず、ほぼ記憶がありません(寝ていただけかもしれませんが)。
一方で研修医時代でのカンファレンスやプレゼンの内容は結構覚えていたります。

学習のピラミッドを厳格に学問するのは難しいかもしれませんが、肌感覚としては合っていると思うので、今後も大事にしていきたいと思います。

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