LA分類が関連する指標は何なのか

先日、逆流性食道炎とGERDの違いを記載しました。

このうち、逆流性食道炎の分類であるロサンゼルス(LA分類)について調べています。

消化器内視鏡医向けです。

 

今回は1999年のGutの記事を紹介します。

Endoscopic assessment of oesophagitis: clinical and functional correlates and further validation of the Los Angeles classification
BACKGROUND Endoscopic oesophageal changes are diagnostically helpful and identify patients exposed to the risk of disease chronicity. However, there is a seriou...

LA分類は非常に有名なので、胃カメラをやっている人でおそらく知らない人はいないでしょう。

 

重症度分類

Grade A  One or more mucosal breaks confined to the mucosalfolds, each no longer than 5 mm
Grade B  At least one mucosal break more than 5 mm longconfined to the mucosal folds but not continuous between the tops of two mucosal folds
Grade C  At least one mucosal break continuous between thetops of two or more mucosal folds but not circumferential
Grade D  Circumferential mucosal break

食道の粘膜欠損が

Grade A: 5mm未満・独立している

Grade B: 5mm以上・独立している

Grade C: 2ひだを超えて連続するが全周性ではない

Grade D: 全周性

という分類ですね。

 

重症度と相関するもの

Gutの論文によれば

重症度と

・食道のpHが低かった時間(LA分類が重いほど、pHが低い時間が長い)

・胸焼けの重症度(LA分類が重いほど、症状も重い)

・胃薬の効果(LA分類が軽いほど、オメプラゾールが効きやすい)

・治療を辞めたときの症状の再発(LA分類が重いほど、再発しやすい)

に関連がみられました。

 

胃薬に関しては、この当時はまだ効果が弱かった可能性があります。

強くてもオメプラゾール20mgの投与に留まっており、エソメプラゾール(ネキシウム)やボノプラザン(タケキャブ)がなかったのだと思います。今ならば、重症の逆流性食道炎でも効果が十分にあるものと思われます。

上は症状が再発することを表わしたグラフですね。

治療後すぐにGradeCの患者は症状を呈するのですが、結局どの群も治療をやめると殆どが症状が再度出現しています。

結局、逆流性食道炎の方は薬を辞められない、というには真実だと思われます。

雑記

症状に密接に関連しており、普段何気なくつけているLA分類にも意味があることが再確認できました。

他にもLES圧との関連がいわれています。

Relationship between severity of reflux esophagitis according to the Los Angeles classification and esophageal motility - Journal of Gastroenterology
We investigated the relationship between the severity of reflux esophagitis (RE) according to the Los Angeles (LA) classification and esophageal motility. Metho...

LES圧とは食道/胃の逆流をしないように、食道平滑筋が締め付ける強さです。

LA分類が重いほど、LES圧が低いので、理にかなっている結果でした。

 

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