消化器内科向けのテーマです。
未だにピロリ菌感染を原因とする萎縮性胃炎は多くみられます。
一方で若年者や都市部ではピロリ菌未感染の、萎縮の無い胃粘膜を見る機会が増えてきているようにも感じます。
特にここ数年、未感染の検査がグッと増えた気がします。
病院によっては、全く萎縮が無い粘膜に対しても「C-0の萎縮性胃炎」という所見がつけられていることがあります。
C-0という評価は知らなかったので、文献を確認しました。
萎縮性胃炎の分類
ピロリ菌はその名の示すとおり、幽門付近にまずは生着します。
そこで炎症を起こすと萎縮性胃炎と言われます。
胃の小弯側と伝って、幽門から噴門へ萎縮性胃炎が広がっていきます。
そこから小弯側から大弯側に回っていき、萎縮は完成します。
この順で広がることに決まっているので、進行具合は分類されています。
C-1.2.3 O-1.2.3で表す、木村・竹本分類が用いられています。
噴門まで萎縮が達していないとClosed type、噴門まで達しているとOpen typeに分類されます。
C-1とO-3は分りやすいですが、C-2.3あるいはO-1.2は目分量でつけている印象ですね。
少なくとも、最初の段階ではC-0という分類はありません。
C-0
どこからC-0を使用するようになったのでしょうか?
内視鏡所見を共通の単語で表現するための「JEDプロジェクト」にもC-0という用語は採用されています。なので、それなりに市民権が得られている用語だとは思います。
文献検索する限り、明確な出典はみつけられませんでした。
「従来の木村・竹本分類には萎縮がない胃を表現する方法がなかったから、新たにC-0を追加しよう」という文献があればよかったのですが、特にみつかりません。
慣習的に使用されているのではないかと思います。
雑記
文献を確認しようとしましたが、文献はみつかりませんでした。
「この言葉当たり前だと思っていたら、実は方言だった」ということがしばしばあると思います。
C-0はそういった、一種の方言なのかもしれません。
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